オリジナルタオルコラム

カラータオルとプリント条件について

お客様から「カラータオルにプリントしたい。」と言うようなお話をよく聞きます。
技術的には問題はないのですが、条件によって仕上がりが違ってきますので注意が必要です。タオルにプリントする場合、基本的には白いタオルに色を重ねるようにしてプリントします。白い画用紙に絵の具を塗るのと同じ理屈です。
前述の条件とは、タオルの色が濃い色か薄い色かの違いによります。淡い色のタオルにその色より格段に濃い色を重ねた場合にはデザインとして色が見えます。しかしその逆に、濃い色のタオルに淡い色を重ねても淡い色はほとんど見えなくなってしまします。もっと分かり易く説明すると、黒いタオルに薄い黄色を重ねても重ねた黄色は殆ど見えません。また、薄い黄色のタオルに黒色を重ねると黒色ははっきりと見えます。タオルの色の濃さにもよりますが、薄い色のタオルに濃い色を重ねることがプリントできる条件となります。
ここで注意したいのは、上に重ねる色が下地となるタオルの色の影響を受けてしまうと言う事です。薄い黄色のタオルに青いデザインをプリントしますと重ねた青色にタオルの黄色が干渉して緑がかった青色になってしまします。なので、青色のデザインをイメージしていると仕上りが全く違ったイメージになってしまします。どれくらいイメージがズレるかは正直やってみないと分からないレベルです。
 お客様にはこのお話を説明するのですがどこまでご理解頂けるのかいつも不安です。

私たちの経験から、カラータオルにプリントする場合のお勧めの色配色は次のようになります。

 薄色のカラータオル × 同系色の濃い目の色をプリント
 薄色のカラータオル × ビビッドな特濃色をプリント
 やや濃い目のカラータオル × 黒色をプリント

カラータオルにプリントしたいけどこの色で大丈夫かな?と迷うようでしたら、タオルショップ・ジェイピーにお問合せ下さい。経験豊かなスタッフがアドバイスさせていただきます。
ここまで、濃色のタオルに薄色のプリントは出来ないと言うお話をしてきましたが、Tシャツの業界ではこのようなプリントは一般的に行われています。
では、どのようにしてプリント行っているのかをご説明します。
濃いカラー地のTシャツに薄色を重ねる場合、先ず吸水性が全くないゴム様の基材をTシャツの上にプリントします。そして更に同じ場所に薄色の色を重ねると言うような手法でプリントをすることになります。言い換えて説明しますと濃い色を白いゴム状のインクでマスキングして、白くなった場所へ薄い色を塗ると言う事です。
デザインを重視するプリントTシャツではこのようなプリント方法が一般的に行われているようです。
では、なぜタオルではこのようにしないのか?
タオルは吸水すると言う機能性を重視される商品だからです。Tシャツで使用される白い基材がラバーと呼ばれる糊剤でして、これは全く吸水性が無いのです。ですので、デザインとしてプリントされた部分が全く水を吸収しなくなってしまいます。タオルの業界で水を吸わないタオルと言うのは考えにくいので、これまでこのようなプリント方法は行われていないのだと思います。しかし近年、吸水性よりもデザイン性重視といった見せるタオルも増えてきているように思います。選手の名前をプリントして応援グッズとして利用されるタオルや推し活でアピールするタオルなどはデザイン性が優先されて吸水性がどこまで要求されているのかも分かりにくくなってきているように感じております。
タオルを機能性で考えるのか、あるいはデザイン性で考えるのかによってオリジナルプリントのものづくりも変遷してきているように思います。実際にTシャツのプリント業者さんがこの手法によって濃色のカラータオルにデザインプリントしているところもあるようですが広範なデザインは難しいようで、小さい文字やロゴ程度に留まるようです。
タオルショップ・ジェイピーでは新しい素材や新しいプリント方法の開発にも積極的に取り組んでいます。