プリントデザインと選択するプリント方法について

オリジナルタオルを作る時にはillustratorやPhotoshopを使ってデザインを作成する事が多いと思います。アイデアをデザインに仕上げていくのも大変な作業ですが、せっかく出来上がったデザインが思っていた仕上がりにならなかったりするとガッカリしてしまいます。プリント方法ごとにその特徴が異なってきますので、事前にしっかりと知っておきたいところです。

オリジナルのデザインをプリントする方法はたくさんありますが、最も多く利用される方法はおおよそ次の４つです。

①スクリーンによる顔料プリント
②スクリーンによる染料プリント
③インクジェットによる染料プリント
④昇華転写プリント

それぞれに長所短所があるのでオリジナルタオルを発注する前にしっかりとポイントを押さえておくと良いでしょう。

それでは簡単に各プリント方法の長所と短所を見ていきましょう。

①スクリーンによる顔料プリント
・デザインで使用する色数が限定されます。生産工場にもよりますが一般的には8色ぐらいまでが多いです。
・スクリーンの型を色毎に作るので型代が必要です。１色の型代は10,000～20,000円程かかるので色数が多いと高額な予算が必要です。
・大量生産に有利です。型を使用する専用機械でプリントされるのでプリントスピードも速く、大量生産の場合は型代を生産枚数で割るので１枚単価を下げる事が出来ます。
・顔料インクを使いますのでタオルに色が滲んで広がらないシャープなデザインがプリント出来ます。その反面、染料に比べると発色がやや劣る傾向にあります。
・プリント後に乾燥すれば完成となりますので、型さえできれば比較的納期は早く出来上がります。

②スクリーンによる染料プリント
・デザインで使用する色数が限定されます。生産工場にもよりますが一般的には8色ぐらいまでが多いです。
・スクリーンの型を色毎に作るので型代が必要です。１色の型代は10,000～20,000円程かかるので色数が多いと高額な予算が必要です。
・大量生産に有利です。型を使用する専用機械でプリントされるのでプリントスピードも速く、大量生産の場合は型代を生産枚数で割るので１枚単価を下げる事が出来ます。
・水溶性の染料を使ってプリントしますので、プリント直後から乾燥するまでの間にデザイン部分がタオル表面で滲む現象となってジワジワと広がってしまいます。当初のデザインに比べて色部分が広がります。
・プリント、乾燥終了後に蒸しと洗いの工程が必要なるので顔料プリントに比べて納期が長くなります。特に濃色では汚染（洗い作業で落ちる染料が再び別の場所へ染まってしまう現象）しやすいので一度にたくさんの商品を洗う事が出来なので工数が増えて価格も上がります。

③インクジェットによる染料プリント
・デザインデータをそのままプリント出来るのでスクリーンの型作製が不要です。ですから１枚からでも制作が可能となります。
・プリンタヘッドからタオル表面にミスト状に染料を噴霧して仕上げますので、色の浸透度が非常に浅いです。したがって仕上りのタオルが見る角度によって白茶けて見える事があります。この現象はタオルの表面組織にも大きく影響を受けます。
・スクリーンの染料プリントに比べると色の広がりは小さいので細線などの比較的シャープなデザイン再現も可能です。
・プリント、乾燥終了後に蒸しと洗いの工程が必要になるので顔料プリントに比べて納期が長くなります。特に濃色は汚染（洗い作業で落ちる染料が再び別の場所へ染まってしまう現象）しやすいので一度にたくさんの商品を洗う事が出来ず、工数が増えて価格も上がります。
・プリントスピードがスクリーンに比べて遅くなるので大量生産の際は納期が長くなります。

④昇華転写プリント
・最近多くなってきたプリント方法で、綿素材にはプリントできません。ポリエステル用の分散染料の特徴を利用して、紙に出力プリントされたデザインを高熱で転写させるプリント方法です。デザイン部分はポリエステル素材に限定されます。
・デザインデータをそのままプリント出来るので、１枚からでも制作が可能となります。
・ポリエステルにプリントされるので非常に発色が綺麗で、写真などのデータも綺麗に再現されます。
・熱転写で昇華プリントすれば完成となるので非常に短納期での仕上げが可能ですが、熱転写のスピードが一定なので、大量生産の際は納期が長くなります。

これ以外にもデザインタオルを作るプリント方法がありますが、現在主流となっているプリント方法の特徴を述べました。皆さんがオリジナルタオルを作る時の参考にして下さい。
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