オリジナルタオルコラム

タオルプリントにおける白色プリント

OEMでオリジナルタオルの引き合いを頂いておりますと、カラータオルに白色のプリントがしたいと言うお話を頂く場合がございます。
結論から申し上げますとタオルにプリントできる白色の顔料、染料がないのでこのようなプリントは出来ないと言う事になり ます。
然しながら、Tシャツや布帛へのプリントでは白色のプリントは一般的に行われるプリント方法であり、ごく稀に一部のTシャツプリント工場ではタオルにプリントしている工場もあるようです。
技術的な話になりますが、Tシャツなどにプリントされている白色の原材料は染料でも顔料でもなく、ラバーと呼ばれるゴム様の白い塗料のような物質になります。このラバーが塗布された繊維と繊維の間にくっ付いて貼り付くような形で白色に見えます。下地の色に関係なく繊維上をマスキングしたようになりますので、黒い生地の上にも白いプリントが可能となります。この白いラバーの上に更に別色の色をプリントする事で黒いTシャツに赤色や黄色のプリントも可能となります。
このラバー塗料は風合いが固く、ゴム様の素材で一切水を吸水しません。タオルにこのプリントをするとそのプリント部分の吸水機能は全くなくなってしまいます。タオルの機能面で吸水性と言うのは必須項目であり、水を吸わないタオルと言うのは機能面からみるとタオルでは無いと言う事になります。このような事情から我々タオル業界では白色のプリントは出来ないと言う認識が一般論となっています。
 しかし、最近では昇華転写プリントやインクジェットプリントの普及からデザイン性にすぐれたタオルが広く出回る様になってきています。このようなタオルを持つ動機には『見せるタオル』や『持つ喜び』的な要素も大きく係わっている場合が多く、このような動機でオリジナルタオルを作る際には、『水を吸わないタオル』があっても良いのかもしれません。
 今のところタオルショップ・ジェイピーでは白色のプリントタオルに関してはお断りしている状況ですが、作り手側の使用目的を広くとらえた場合には、白色のラバープリントも検討の余地があるのかもしれないと思っています。今後は従来の観念や思い込みに捕らわれずに、お客様がどのようなタオルを必要としているのかなど、柔軟な考え方が必要になってくると思いますね。